Excelで「特定の条件に合うセルだけ色を変えたい」と思ったことはありませんか?
そんなときに便利なのが数式を使用した条件付き書式です。
通常の条件付き書式よりも自由度が高く、MOS試験や実務でも頻出の重要スキルです。
この記事では、初心者でも理解できるように
基本の使い方から実務で使える具体例までをわかりやすく解説します。
数式を使用した条件付き書式とは
「数式を使用した条件付き書式」とは、
自分で作った数式の結果(TRUE / FALSE)によって書式を変更する機能です。
- TRUE → 書式が適用される
- FALSE → 何も起こらない
なぜ「数式」が必要なの?
エクセルの「条件付き書式」には、最初から「指定の値より大きい」や「データバー」といった便利なボタンが用意されています。しかし、これらには一つだけ苦手なことがあります。
それは、「自分以外のマスの状況を見て、自分の色を変える」ということです。
普通のルール: 「自分のマス」が130以上なら、「自分のマス」を赤くする。
数式のルール: 「B列(血圧)」が130以上なら、「A列(日付)もC列(備考)も」一行まるごと赤くする。
つまり、数式を使うことで、表の一部(特定の項目)の条件をきっかけにして、表全体のデザインを自由自在にコントロールできるようになります。これが、数式マスターが「エクセルを魔法のように操る」と言われる理由です。
基本の設定手順
手順
- 範囲を選択
- 「ホーム」タブ
- 「条件付き書式」
- 「新しいルール」
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」
- 数式を入力
- 書式(色など)を設定

実践!数式を使用した条件付き書式
在庫が 5 未満の行を色付けする
B列の値(在庫)を基準に、在庫数が5 未満になる行に色付けます。
範囲指定は
=A2:C7

数式を使うときは、先頭に「=」を必ずつけます。
=$B2<5
TRUEになる条件を書く
「条件を書く」のではなく「成立する式を書く」
- 行全体に色を付けたいので、列は固定($B)
- 行番号は相対参照(2)
- 在庫が5未満(<5)

$の意味:相対参照・絶対参照を理解する
| 例 | 意味 |
|---|---|
| A1 | 自動でズレる |
| $A$1 | 固定 |
| $A1 | 列固定 |
| A$1 | 行固定 |

数式を使用した条件付き書式では、 「どの列を基準に判定するか」を $ で固定し、 行番号は相対参照のままにするのがポイントです。
これにより、行全体に正しく書式が適用されます。
担当者が「佐藤」の行を色付けする
C列の文字列(担当者名)を条件に、行に色をつけます。
範囲指定は
=A2:C7
数式
=$C2="佐藤"
文字を指定する時は " " (ダブルクォーテーション)で囲むのがルールです。


空白のセルに色を付ける場合は、
=A1=””
(ダブルクォーテーション)だけでOKです。
在庫が 0 の商品のみ赤色にする
B列が 0 の行を強調
範囲指定は
=A2:C7
数式
=$B2=0

比較演算子(条件付き書式で最も重要)
比較演算子(=、<>、>、<、>=、<=)は、条件付き書式で最もよく使う演算子です。
| 演算子 | 読み方 | 意味 | 例 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| = | イコール | 等しい | A1=10 | A1 が 10 のとき TRUE |
| ノットイコール | 等しくない | A1<>10 | A1 が 10 以外なら TRUE | |
| > | 大なり | より大きい | A1>10 | A1 が 11 以上なら TRUE |
| 小なり | より小さい | A1<10 | A1 が 9 以下なら TRUE | |
| >= | 大なりイコール | 以上 | A1>=10 | A1 が 10 以上なら TRUE |
| 小なりイコール | 以下 | A1<=10 | A1 が 10 以下なら TRUE |
すぐに使える!数式テンプレート集
コピーして、自分の表のセル番号(B2など)に書き換えるだけで使える便利なテンプレートです。
※条件付き書式の「数式を使用して、書式設定するセルを決定」の入力欄に貼り付けて使ってください。

これらの数式を入力した後に「書式」ボタンから色を選ぶのを忘れないでね!
今日より前の日付(期限切れ)を赤くする
支払期限や、提出物の締め切りが過ぎてしまった行を見逃さないようにします。
数式: =$C2<TODAY()
- 活用例: 支払予定日を過ぎた請求書の行を赤く塗りつぶす。
- ポイント:
TODAY()は「今日の日付」を自動で取ってきてくれる便利な関数です。

土曜と日曜の二つのルールを設定するには、「新しいルール」で追加で設定できます。
予算をオーバーした行を強調する
家計簿などで、支出が予算を超えた項目を一目でチェックします。
数式: =$D2>$E2
- 活用例: D列(実績)がE列(予算)より大きい場合に、行を黄色にする。
- ポイント: 数字を直接入れず「セル同士」を比べることもできます。
特定の文字が「含まれる」行の色を変える
これまでは「=(イコール)」を使って「ぴったり同じ文字」を探してきましたが、この数式を使えば「住所の中に『東京』という言葉が入っていたら」といった、部分的な一致で行全体に色を付けることができます。
数式: =ISNUMBER(SEARCH("東京", $B2))
※B列の中に「東京」という文字が含まれているか探してね、という意味です
この数式の「仕組み」
一見難しそうですが、2つの関数が協力して動いています。
- SEARCH(“東京”, $B2)
- B列の中から「東京」という文字がどこにあるか探します。見つかると「5文字目にあったよ!」と数字で教えてくれます。
- ISNUMBER( … )
- 「中身は数字(NUMBER)かな?」と確認する関数です。数字が見つかれば「はい、含まれていました!」と判断して、色を付けてくれます。
活用例
- 住所録で: 「大阪」や「福岡」など、特定の地域が入っている行だけ色を変える。
- 備考欄で: 「至急」や「重要」という言葉が含まれる行をパッと目立たせる。
- 商品リストで: 商品名の一部に「限定」や「SALE」と入っている行を強調する。
👇ISNUMBER関数|そのセルは「数字?」を確認する方法
まとめ:数式をマスターして、エクセルをもっと自分好みに!
今回のポイントをおさらい
- 「数式」を使う理由: 特定のセルの数字を見て、行全体(日付や項目など)の色を変えられるから。
- 記号「$」: アルファベットの前に付けるだけで、「この列を基準にする」という目印になります。
- 広がる活用シーン: 「完了」したタスクをグレーにしたり、期限が過ぎた行を赤くしたりと、表の使い勝手が劇的に良くなります。
エクセルは、単なる「計算ソフト」ではなく、あなたの生活や仕事をサポートしてくれる「賢いパートナー」です。まずは今回ご紹介したテンプレートを一つ、ご自身の表にコピーして試してみてください。
もし設定がうまくいかない時は、こちらの『基本編』の記事も参考にしてみてくださいね
ステップアップ!さらに見やすい表を作るなら
今回ご紹介した「条件付き書式」と、セルにニックネームを付ける「名前の定義」を組み合わせると、設定した数式の内容がパッと見て理解できるようになります。 「あの数式、何を設定したんだっけ?」と迷わなくなるテクニックは、こちらの記事で詳しく解説しています。 → [エクセル「名前の定義」で数式をわかりやすくする方法]
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運営者プロフィール
パソコンインストラクターの経験を生かして、シニアの方や初心者の方に、WordやExcelの「できた!」を届けるために活動しています。