Word の「検索と置換」は、MOS 上級レベルになると 書式検索・ワイルドカード検索・特殊文字検索・複合置換 を組み合わせて使う高度操作が問われます。
多くの人が「一番むずかしい!」と感じやすいのが、この「高度な検索と置換」です。
しかし、仕組みさえ分かってしまえば、何百ページもある文書から「特定のデザインの文字だけ」をみつけたり、「特定のパターンの文字列」を一瞬で書き換えたりできるようになる、便利機能です。
このレッスンでは、実務でも MOS でも必須となる「高度な検索と置換」を、初心者にもわかりやすく体系的に解説します。
本記事の対象バージョン: MOS 365 エキスパート / MOS 2019 エキスパート(どちらの試験を予定している方でもそのまま学習に割り当てられます)
検索オプションの詳細
Word の検索ダイアログ(Ctrl+F → 「検索と置換」)には、
「オプション」を開くと多くの高度設定が隠れています
いつもの検索(Ctrl + F)よりも、もっと細かく条件を指定して探すのが「高度な検索」です。
主な検索オプション
- 大文字と小文字を区別する
- 例: “Word” と “word” を区別したいとき
- 完全に一致する単語だけを検索する
- 例: “at” を検索すると “cat” までヒットする問題を防ぐ
- ワイルドカードを使用する
- 上級者向けのパターン検索
- 検索方向
- (上へ/下へ/文書全体)
- あいまい検索
- (似た語句をまとめて検索)
「高度な検索」画面の開き方
ホームタブの右端にある「編集」グループの検索の横にある「▼」 をクリックします。- メニューから
高度な検索を選択します。 - 表示されたダイアログボックスの左下にある
オプション(またはあいまい検索(日本語)のチェックを外して拡張) ボタンをクリックします。

これで、画面下部に細かいチェックボックス(検索オプション)がずらりと現れます。

- 完全一致(単語単位): 「Word」を探すとき、「WordPress」などの一部に含まれるものは除外します。
- 大文字と小文字を区別する: 「apple」と「Apple」を別のものとして区別します。

試験では、このオプションにチェックを入れるだけの問題も出題されるので、まずは画面の開き方をしっかり覚えましょう。
書式を含む検索(太字・フォント・スタイル)
Word の検索は「文字」だけでなく「書式」も対象にできます。
見た目(書式)を条件にして検索する方法です。
書式検索でできること
- 太字だけを検索
- 特定フォント(例:Meiryo UI)だけを検索
- 特定のスタイル(例:見出し2)だけを検索
- 赤文字だけを検索
- 下線付きの文字だけを検索
操作手順
高度な検索画面を開きます(「検索する文字列」は空欄のままでもOKです)。- 画面左下の
書式ボタンをクリックします。 - メニューから
フォントやスタイルなど、指定されたものを選択します。

例えば「フォント」を選んだ場合、色を「赤」に指定して OK を押します。

これで、画面に「書式:フォントの色:赤」と表示され、文字に関係なく「赤い文字」だけを順番にジャンプして探せるようになります。

ワイルドカード検索
上級試験の最大の山場が、この「ワイルドカード」です。
ワイルドカードとは、「どんな文字にもなれるトランプのジョーカーのような記号」のことです。これを使うと、パターンの検索ができます。
使用するときは、検索オプションの ワイルドカードを使用する に必ずチェックを入れます。

ワイルドカード記号一覧表(Word 検索と置換)
| 記号 | 読み方・意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| ?[任意の1文字] | 任意の1文字に一致 | b?t → bat / bit / bot |
| *(任意の0文字以上) | 0文字〜無限の文字に一致 | a*e → apple / age / are |
| [ ](指定した文字のいずれか) | カッコ内のどれか1文字 | gr[ae]y → gray / grey |
|  | カッコ内以外の文字 | t[!ae]p → tip / top |
| [0-9](数字) | 0〜9 の数字 | [0-9]{2} → 2桁の数字 |
| [A-z](英字) | A〜Z / a〜z | [A-z]{3} → 3文字の英字 |
| {n}(n回繰り返し) | 指定回数だけ一致 | [0-9]{4} → 4桁数字 |
| @(直前の文字の1回以上の繰り返し) | 同じ種類の文字が1回以上 | a@ |
| {n,m}(n〜m回繰り返し) | 範囲で一致 | [A-z]{2,5} |
| ( )(グループ化) | まとまりとして扱う | (<*> ) |
| \1(キャプチャ参照) | グループの内容を再利用 | (Word) → \1 |
| \<(単語の先頭) | 単語の始まりに一致 | \<Word |
| \>(単語の末尾) | 単語の終わりに一致 | Word\> |
| \-(範囲指定) | 文字の範囲を指定 | [a-z] |
| ^&(検索結果をそのまま使う) | 見つかった文字列を置換後にも残す | ^&(太字に変更など) |
パターン①:桁数が決まっている番号を検索・置換する
【問題例】
文書内の「第1章」〜「第9章」などの見出し(数字は1桁)を検索し、書式を「太字」に変更しなさい。
- 入力する検索文字列:
第?章 - 解法: 2桁(第10章など)は含まない「1桁だけ」という指定なので、
?を1つだけ使います。もし問題が「第10章〜第99章」なら第??章になります。
パターン②:特定の文字「以外」を対象にする
【問題例】
「東京支店」「大阪支店」「名古屋支店」のうち、「東京支店」以外の支店名を検索しなさい。
- 入力する検索文字列:
[!東]京支店または[!東]支店 - 解法: カッコの先頭に
!をつけることで、「東」という文字を除外した「〇京支店(大・名など)」を狙い撃ちできます。
パターン③:文字数が決まっていない間を丸ごと指定する
【問題例】
カッコ ( ) で囲まれた中身の文字列(文字数はバラバラ)を、カッコごとすべて検索しなさい。
- 入力する検索文字列:
(*) - 解法: カッコの中が2文字でも10文字でも、
*を使えば「始まりのカッコから終わりのカッコまで」を丸ごと一発で引き当てることができます。
特殊文字の検索(段落記号・タブなど)
画面には見えない「改行(段落記号)」や「タブ」「全角スペース」なども、実は検索することができます。これらを「特殊文字」と呼びます。
操作手順
高度な検索画面の下部にある特殊文字ボタンをクリックします。- リストから指定されたもの(例:
段落記号やタブ文字)を選択します。 - すると、検索ボックスに
^p(段落記号のこと)や^t(タブのこと)といった専用のコードが自動で入力されます。


手動で ^(キャレット)とアルファベットを入力しても大丈夫ですが、ボタンから選ぶのが一番確実で安全です。
特殊文字(Word 独自のコード)
| 記号 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| ^p | 段落記号 | ^p^p → 空行削除 |
| ^t | タブ | ^t → カンマに置換 |
| ^m | 改ページ | 改ページ削除 |
| ^b | セクション区切り | 区切り検索 |
| ^# | 任意の数字 | 電話番号検索 |
| ^$ | 任意の英字 | 英字抽出 |
⚠️ MOS試験を受ける方へのアドバイス
^p というコードの理解自体が「超頻出」
MOS Word上級(エキスパート)では、「段落記号(改行)」をコードで指定させる問題が非常によく出ます。
試験問題では、以下のような形で出題されます。
- 「文書内の『タブ記号(
^t)』をすべて『段落記号(^p)』に置換しなさい」 - 「『^p』を使って検索し、特定の書式を設定しなさい」

『タブ記号(^t)』『段落記号(^p)』という知識がないと解けない問題が多発するため、覚えておきましょう。
応用:ワイルドカード×特殊文字「置換」
MOS Word上級(エキスパート)試験の範囲の中で、多くの受験生が最も苦手とし、合否を分ける重要難所となるのが、「ワイルドカードと特殊文字を組み合わせた高度な置換」です。
出題されるパターンと「Wordの特別なルール」さえ覚えてしまえば、確実に得点できるボーナス問題に変わります。
絶対に暗記すべき!ワイルドカードON時の「ルール変更」
この分野をマスターする上で、最初に直面する最大の壁が「ワイルドカードにチェックを入れると、一部の特殊文字コードが変わる」というWordの仕様ルールです。
通常の検索・置換で使うコードがそのままでは機能しなくなるため、以下の違いを確実に頭に叩き込んでください。
| 対象の特殊文字 | 通常の検索・置換時 | ワイルドカードONの時 |
| 段落記号(改行) | ^p | ^13 (※検索時のみ変更) |
| タブ文字 | ^t | ^t (変更なし) |
| 全角・半角スペース | (そのまま空白を入力) | (そのまま空白を入力) |
⚠️ 受験生が必ず陥る不合格トラップ
ワイルドカードにチェックを入れた状態で、検索ボックスに ^p を入力して検索を実行すると、Wordがエラーを起こすか、まったくヒットしなくなります。
ワイルドカードにチェックを入れたときは「13」を使う
Word には、特殊文字に 内部コード番号 が割り当てられていて、 そのうち 13番が “段落記号(改行)” なんです。
| 記号 | 意味 | 説明 |
|---|---|---|
| ^p | 段落記号 | Word独自の表記 |
| ^13 | 段落記号 | ASCIIコード由来 |
つまり、
- ^13 = 段落記号(改行)
- ^p = 段落記号(改行)
この2つは まったく同じ意味。
MOS試験対策なら
覚え方はシンプルです。
- ワイルドカードなし →
^p - ワイルドカードあり →
^13
試験にそのまま出る!2大頻出応用パターンと解法
パターン①:【文末の特定の文字・記号だけ】を狙い撃ちして置換する
「文章の途中にある句点(。)は無視し、段落の最後(文末)にある句点だけを検索して、別の記号や書式に変更しなさい」というパターンです。
【問題例】
ワイルドカードを使用して、各段落の文末にある句点「。」を、すべて「!」に置換しなさい。その際、置換後の「!」の書式を「太字」に設定すること。
解法手順
ホームタブ >置換(Ctrl + H)を開き、オプションから 「ワイルドカードを使用する」にチェック を入れます。- 検索する文字列
-
。^13と入力します。 (句点「。」の直後に改行「^13」が来る場所、という意味になります)
-
- 置換後の文字列
-
!^pと入力します。 - ※超重要: 置換後のボックスでは
^13ではなく、いつもの^pに戻して入力します(Wordの仕様上、置換後は^pでないと正しい改行マークに戻りません)。 - もし
!だけを入力して置換すると、文章の後ろにあった改行がすべて消滅し、次の段落と繋がって文章がめちゃくちゃになってしまいます。
-
- 「置換後の文字列」ボックスにカーソルを置いた状態のまま、左下の
書式ボタン >フォントを選択し、スタイルを「太字」に設定してOKを押します。 すべて置換を実行します。
※超重要を詳しく
- 検索する文字列のボックス:
- ワイルドカードがONのとき、
^pを使うとWordが混乱してエラーになるため、代わりに^13を使う。
- ワイルドカードがONのとき、
- 置換後の文字列のボックス:
- ワイルドカードがONであっても、新しく改行を入れたいときは、いつもの
^pを使わなければならない(^13と書くと、正しく改行されずに特殊な記号として入力されてしまう)。
- ワイルドカードがONであっても、新しく改行を入れたいときは、いつもの
パターン②:【文字数がバラバラのカッコ内】を丸ごと検出して置換する
「(株)」や「(株式会社〇〇)」など、中に何文字入っているか分からないカッコを、カッコごと一発で指定して書式を変更させるパターンです。
【問題例】
文書内にある、全角のカッコ ( ) で囲まれた文字列を、カッコも含めてすべて検索し、その部分にスタイル「強調」を適用しなさい。
解法手順
- 検索・置換ダイアログの
オプションから 「ワイルドカードを使用する」にチェック を入れます。 - 検索する文字列:
(*)と入力します。 (任意の0文字以上の文字列を表す*を全角カッコで挟むことで、中身が何文字であっても始まりから終わりまでを丸ごと一まとめにして検出できます)
- 置換後の文字列:
-
^&と入力します。 - ※コードの解説: この
^&(アンパサンド)は、「検索ボックスで見つかった文字を、そのままの形でここに再利用します」という意味の特殊コードです。これを使うことで、カッコの中身の文字を書き換えることなく、見た目(書式やスタイル)だけを安全に変更できます。
-
- 「置換後の文字列」ボックスにカーソルを置いた状態で、左下の
書式ボタン >スタイルを選択し、一覧から指定された「強調」を選択してOKを押します。 すべて置換を実行します。
高度な置換(書式+ワイルドカード)
最後は、これらすべてを組み合わせた「置換(置き換え)」の技です。
試験では、「ワイルドカードで文字を検索し、別の文字に置き換えるとともに、その文字を太字(または特定のスタイル)にしなさい」といった複合問題が出題されます。
複合問題と操作の流れ
【実戦模擬問題】
文書内にある「第1章」や「第5章」などの1桁の章見出し(第〇章)を検索し、文字列はそのままで、書式をスタイル「見出し 2」、フォントの色を「青」に変更しなさい。
※なお、この操作にはワイルドカードを使用すること。
解答・操作手順
始めに、ホーム タブ > 置換(またはCtrl + H)で 置換 タブを開きます。

オプションを開き、ワイルドカードを使用するにチェックを入れます。- 検索する文字列: ワイルドカードを使って条件を入力(
第?章) - 置換後の文字列: 置き換えたい文字を入力(^&)
- そのまま「置換後の文字列」のボックスにカーソルを置いた状態で、左下の
書式ボタンをクリック -
フォントやスタイルを選択し、指示された書式(見出し2.フォントスタイル青)を設定します。

最後に、すべて置換 または 次を検索 して 置換 を行います。
解説
- 条件①:文字パターンを指定している
- 「第1章」「第2章」などを個別に入力するのではなく、
第?章というワイルドカードによるパターン指定を求めています。
- 「第1章」「第2章」などを個別に入力するのではなく、
- 条件②:文字は書き換えない(そのまま残す)
- 置換後の文字列に
^&(見つかった文字をそのまま使うコード)を使用させる高度なテクニックが必要です。
- 置換後の文字列に
- 条件③:複数の書式(スタイル+色)を同時に変える
- 「スタイル」の適用と「フォントの色」の変更という、2つの書式設定を置換ダイアログボックスの
書式ボタンから同時に設定する操作が求められます。
- 「スタイル」の適用と「フォントの色」の変更という、2つの書式設定を置換ダイアログボックスの
複合問題の例題
上級レベルでは「書式検索 × ワイルドカード × 特殊文字」を組み合わせた置換が問われます。
例1:
「太字の数字だけ」→ 赤文字に変更
検索:
- 文字列:
[0-9]@ - 書式:太字
置換:
- 書式:フォント色=赤
例2:
「( )で囲まれた語句」→ カッコを削除
検索:\(*\)
置換:\1(中身だけ残す)
例3:
「文末のスペース」→ 削除
検索:^p(スペース+段落記号)
置換:^p
例4:
「タブ区切りのデータ」→ カンマ区切りに変換
検索:^t
置換:,
CSV 変換にも使える便利テクニックです。
⚠️ 試験本番で誰もがやる「2大うっかりミス」
ワイルドカードの問題は、やり方があっているのに「設定の忘れ」で不合格(不正解)になるケースが多発します。
- 「ワイルドカードを使用する」のチェック忘れ
- 検索オプションを開いて、このチェックボックスにチェックを入れないと、Wordは
?や*を「ただのハテナマーク、星マーク」として探してしまいます。「問題文にワイルドカードと書かれていたら、何よりも先にチェックを入れる!」を徹底しましょう。
- 検索オプションを開いて、このチェックボックスにチェックを入れないと、Wordは
- 記号を「全角」で入力してしまう
?や*、[ ]などの記号は、すべて「半角」で入力しなければ機能しません。全角の「?」で入力して「検索結果が見つかりません」と焦る受験生が非常に多いです。
MOSで問われるのは「記号の暗記」ではなく“使い方”の理解
MOS Expert の問題はこういう形式が多い:
- 「数字で始まる語句を検索し、太字に変更しなさい」
- 「カッコで囲まれた語句のカッコを削除しなさい」
- 「空行を削除しなさい」
つまり、 “どの記号を使えば目的を達成できるか” がわかれば十分。
MOS 上級でよく出る組み合わせ例
- 数字+文字列を検索
- [0-9]@[A-z]@
- カッコ内の文字を抽出
\(*\)→ 置換で\1
- 文末のスペース削除
^p→^p
- 空行削除
^p^p→^p
Lesson 3 のまとめ
「あわてずに、下側のボタン(オプション、書式、特殊文字)を順番に使うこと」です。
- 文字だけでなく、見た目(書式)でも検索・置換ができる
- ワイルドカード(? や *)を使うときはチェックボックスを忘れずに!
- 改行などの見えない文字は「特殊文字」ボタンから選ぶ
MOS 上級の検索・置換は「組み合わせ」が鍵
高度な検索と置換は、以下の 3 つを組み合わせることで真価を発揮します。
- 書式検索
- ワイルドカード検索
- 特殊文字検索
MOS Expert では「複合条件での置換」が頻出なので、 この記事の内容を理解しておくと得点源になります。
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