Word上級(エキスパート)試験の重要テーマの1つが、「ドキュメントの比較と統合」です。
仕事で1つの企画書をチームのメンバーに配って修正してもらったとき、全員がバラバラに手元で直してしまい、「誰がどこを直したのか分からなくなっちゃった…」という経験はありませんか?
Wordの比較・結合機能を使えば、2つのファイルを見比べて「自動で差分を洗い出す」ことができます。試験で狙われるポイントを解説します!
本記事の対象バージョン: MOS 365 エキスパート / MOS 2019 エキスパート(どちらの試験を予定している方でもそのまま学習に割り当てられます)
文章比較(2つのファイルを見比べる)
「文章比較」は、元のファイル(オリジナル)と、誰かが修正したファイル(改訂版)の2つをWordに読み込ませて、「どこがどう変わったのか」をWordに自動で探してもらう機能です。
操作手順
校閲タブを開きます。- 「比較」グループにある
比較ボタンをクリックし、メニューから比較を選択します。

- ダイアログボックスが表示されるので、以下のようにファイルを指定します。
- 元の文書: 修正前のオリジナルファイルを選択
- 改訂された文書: 修正後のファイルを選択

OK をクリックします。
これだけで、Wordが2つのファイルの違いを瞬時に見つけ出し、新しい画面を開いて教えてくれます。
●比較結果で表示されるもの
- 追加された文字
- 削除された文字
- 書式の変更
- 移動した段落
- コメントの違い
すべてが 赤字・取り消し線・吹き出し などで視覚的に表示される。
●比較オプションで
- 移動の検出
- 書式
- 大文字と小文字
- コメント ヘッダーとフッター テキストボックス
- 空白文字
- 表
- フィールド
- 脚注・文末脚注
変更できます。

●MOSでの出題例
- 「2つの文書を比較しなさい」
- 「比較結果を新しい文書として表示しなさい」
- 「比較オプションを変更しなさい(書式の比較を含めるなど)」
文章の結合(修正内容を1つに合体させる)
「比較」とそっくりな機能に「結合」があります。
試験画面でもボタンが隣同士にあるため混同しやすいですが、目的が少し違います。
- 比較: 単に2つのファイルが「どう違うか」を確かめたいとき
- 結合: 複数の人(例:AさんとBさん)から戻ってきた修正内容を、1つのファイルにガッチっと統合したいとき
操作手順
校閲タブ >比較ボタン >結合(組み込み を選択します。- 比較のときと同じように「元の文書」と「改訂された文書」を指定して
OKを押します。

※Word 365 の「組み込み」は、従来の「結合」と “同じ機能” です。 名前が変わっただけで、役割も操作内容も MOS での扱いも同じ。
● 結合で指定する文書
- 元の文書
- 変更された文書(複数人の編集版)
これを繰り返すことで、複数人からの修正を1つのドキュメントに綺麗にまとめることができます。
● 結合の特徴
- 編集者ごとに色分けされる
- コメントも統合される
- 変更履歴を保持したまま1つにまとめられる
● MOSでの出題例
- 「複数の編集者の変更を結合しなさい」
- 「結合後の文書を保存しなさい」
- 「結合オプションを設定しなさい」
差分の確認(比較画面の見方)
「比較」や「結合」を行うと、画面が自動的に「3分割(または4分割)」された特殊な画面に切り替わります。
初めて見るとビックリしてしまいますが、落ち着いて構造を理解しましょう。

- 真ん中の広い画面(比較結果): 2つのファイルの差分が、「変更履歴(赤い線や文字)」の形になって表示されます。ここを見れば、どこが消されて、どこに追加されたのかが一目瞭然です。
- 右側の上下に並んだ画面: 上が「元の文書」、下が「改訂された文書」です。それぞれの生データが連動してスクロールします。
- 左側の画面(リビジョン領域): 修正された箇所が「箇条書きのリスト」になって一覧表示されます。
文章比較・結合の結果は、差分(変更点)として表示される。
● 差分の見方
- 赤字:追加された文字
- 取り消し線:削除された文字
- 吹き出し:コメント・書式変更
- 移動のマーク:段落の移動

💡試験対策ワンポイント
試験では、比較を実行した後に「差分を確認し、変更をすべて反映(承諾)しなさい」といった指示が続くことがあります。
その場合は、
校閲 タブの「変更履歴」グループにある 承諾 > すべての変更を反映
をクリックすればOKです。

変更履歴の記録と表示方法の切り替え
「比較・結合」の機能を使うと、画面に赤い線や文字(変更履歴)が自動で表示されますが、この履歴は自分自身で修正しながらリアルタイムに残していくこともできます。
● 変更履歴の記録をスタートする
校閲タブを開きます。- 「変更履歴」グループにある
変更履歴の記録ボタンをクリックします(ボタンが灰色に反転し、ONの状態になります)。
この状態のまま文字を削除したり追加したりすると、すべての修正が文書に記録されるようになります。
● 表示方法の切り替え(変更前/変更後/変更点だけ)
変更履歴がONのままだと、画面が赤字や吹き出しだらけになって「最終的にどんな見た目になるのか確認しづらい!」という状態になります。
そんな時は、
校閲- 「変更履歴」グループにある
変更履歴の表示方法 - ドロップダウンメニューを切り替え

画面を自由に整理しましょう。
🔄試験や実務では、以下の4つの見え方を指示に合わせて切り替えます。
- シンプルな変更案内(変更点だけ)
- 修正後のすっきりした文章を表示しつつ、修正があった行の左端に「赤い縦線」だけを表示します。
- すべての変更案内(変更後)
- 削除された文字や追加された文字、吹き出しなどをすべて赤字で画面に表示します(比較を実行した直後はこの画面になります)。
- 変更案内なし
- すべての変更履歴(赤字や吹き出し)を一時的に非表示にして、「もしこのまま修正を受け入れたらどうなるか」という最終状態(変更後)の画面を確認できます。
- 初版(変更前)
- 修正を一切行う前の、「一番最初のオリジナル状態」に画面を戻して確認できます。

⚠️ 注意:見た目が変わるだけで履歴は消えていない!
ここで「変更案内なし」や「初版」を選んで画面から赤字が消えても、変更履歴のデータ自体が削除されたわけではありません。 完全に履歴を消して確定させるには、先ほど紹介した「承諾」または「却下」の操作が必要になるので、混同しないようにしましょう。
● MOSでの出題ポイント
- 「文章比較」と「変更履歴」は別機能
- 比較は “2つの文書を指定する”
- 変更履歴は “編集中に記録する”
変更履歴の記録と「比較・結合」の違い
- 変更履歴の記録
- これから修正を始める前に、あらかじめ記録ボタンをONにして、リアルタイムに修正を記録していく方法です。
✔ 編集中の変更をリアルタイムで記録する機能
- 文章の比較・結合
- 事前の設定は何もしていなくて、後から「この新旧2つのファイル、どこが違うんだっけ?」と思ったときに、過去に遡って差分をあぶり出す方法です。
✔ 編集者が変更履歴をオンにしていなくても比較できる
Lesson 5 のまとめ
複数のファイルを扱うMOS Word上級において、「比較」と「結合」は非常に実用的な機能です。
- 比較: 2つのファイルの違いを調べる
- 結合: 複数人の修正を1つに合体させる
- ダイアログボックスで「元の文書」と「改訂された文書」を逆にしないよう注意する
- 実行後は、変更を「承諾」するかどうかまで問題文をよく読む
特に MOS では、
- 比較 → 差分確認 → 表示切り替え
- 結合 → 編集者ごとの変更を統合
この流れがよく出る。
手元に似たような内容のWordファイルを2つ用意して、ぜひ一度「比較」のボタンを押してみてください。Wordが自動で赤字を入れていく様子を見るだけで、「仕組み」が体感としてスッと頭に入りますよ!
前回のLessonは、




運営者プロフィール
パソコンインストラクターの経験を生かして、シニアの方や初心者の方に、WordやExcelの「できた!」を届けるために活動しています。