「なぜネストが必要?」
Excelで、「80点以上なら合格、それ以外は不合格」のような条件が1つだけのときはIF関数1回できます。
でも、「70点以上は合格、40点未満は再試験、それ以外は候補」のように、結果を3つ以上に分けたい時はどうすればいいでしょうか?
複数の条件を同時に判断する必要がある場合、そんな時に使うのが、関数の中に関数を入れるテクニック、「ネスト(入れ子)」です。 今回は、ダイアログボックスを使って、計算式を書き間違えずにネストする方法を解説します。
今回やりたいこと
関数の中に、関数を入れて結果をだしていきます。
このネストを理解しておくと、業務で使う表の自動判定やチェック作業を大幅に効率化できます。
まず、Excelにさせたい判断を整理しましょう。
(記事内ではこの画像のような表を使います)

- 判定1: 70点以上なら → 「合格」
- 判定2: (合格じゃない人のうち)40点未満なら → 「再試験」
- 判定3: それ以外(40点~69点)なら → 「候補」
このように、3つの判定を出していきます。
ネストの基本イメージ
ネストは難しそうに見えますが、実は考え方はとてもシンプルです。
考え方の順番
- 最初に判断したい条件
- ダメだった場合の次の条件
- それでもダメなら最終結果
👉 「もしAなら? じゃなければB? それも違えばC」
この順番で考えます。
IF関数のネスト基本形
=IF(条件1, 結果1, IF(条件2, 結果2, 結果3))
意味はこうです。
- 条件1がOK → 結果1
- 条件1がNGで条件2がOK → 結果2
- どちらもNG → 結果3
IF関数の中に「次のIF関数」を入れることで、複雑な条件分けが可能になります。
👉IF関数を読んでおくと、今回の内容がさらにわかりやすくなります
実践!ダイアログボックスで設定する
手入力だとカッコの数を間違えやすいので、「関数の挿入(ダイアログボックス)」を使うのが一番確実です。
Step 1:1つ目のIF関数を入れる
- 判定を表示したいセル(F7)をクリックします。
- 「関数の挿入ボタンを押し、「IF」を選んでOKします。


3. まずは「70点以上なら合格」という設定をします。
- 論理式:
E7>=$E$12(点数が、合格点以上なら。 - ※E12を選んだ直後にF4キーを押して固定します!)
- 値が真の場合:
"合格" - 値が偽の場合: (ここをクリックしてカーソルを点滅させるだけ!)

★超重要ポイント! ここで「OK」ボタンを押してはいけません!まだ式は完成していません。

値が偽の場合(FALSE側)に さらにIFを入れるのが基本です。
★ダイアログボックスでは、合格と文字を打つだけで””(ダブルクオーテーション)が自動で入力されます。なぜ「””」を入れないといけないのかは、こちらのページから学習できます。
👉F4キーで絶対参照($を入れる)固定する方法
Step 2:2つ目のIF関数を「呼び出す」
「値が偽の場合」の欄にカーソルがある状態で、画面の左上(数式バーの左隣)を見てください。 普段はセル番地が表示されている場所に、「IF」などの関数名が出ているはずです。
- [名前ボックス] の▼をクリックし、一覧から「IF」を選びます。 (もし一覧になければ「その他の関数」から探します)

すると、画面が切り替わり、2つ目のIF関数の設定画面が出てきます! これが「ネスト(入れ子)」の入り口です。

Step 3:2つ目の条件を入れる
新しい画面で、残りの条件(40点未満なら再試験)を設定します。
- 論理式:
E7<$E$13(点数が、再試験点より小さいなら。※E13もF4キーで固定!) - 値が真の場合:
"再試験" - 値が偽の場合:
"候補"(もう条件はないので、残りの答えを入力します)

(この画像のようになれば正解です!)
Step 4:完成!
最後に「OK」ボタンを押します。 これで、1つのセルの中に2つのIF関数が入った数式が完成しました。
=IF(E7>=$E$12,”合格”,IF(E7<$E$13,”再試験”,”候補”))
あとは下の行までオートフィル(コピー)すれば、全員分の判定が一瞬で終わります。

👉オートフィルの使い方
なぜ順番が重要なのか?
=IF(E7>=$E$12,"合格",IF(E7<$E$13,"再試験","候補"))

上から順に判断されるのが重要ポイントです。
=IF(条件1, 結果1, IF(条件2, 結果2, 結果3))
- 条件1は、「70点以上なら」
- 結果1は、「合格」
- 条件2は、「40点未満なら再試験」
- 結果2は、「再試験」
- 結果3は、「どちらでもない残りの答えなので候補」
条件は 上から評価されるため、順番を間違えると正しい結果になりません。
NG例
=IF(A2>=60,"B",IF(A2>=80,"A","C"))
この場合、80点でも先に「60点以上」が判定され、
すべてBになってしまいます。
もし修正したくなったら?
「ネストした数式を直したいけど、ボックスが消えちゃった!」 そんな時は、数式バーの中をクリックして修正モードにします。
- 1つ目のIFを直したい時 → 数式バーの最初の「IF」の文字をクリック
- 2つ目のIFを直したい時 → 数式バーの2番目の「IF」の文字をクリック
- または、関数の挿入ボタンを押す
こうすると、それぞれのIF関数のダイアログボックスが復活します。
ネストがうまく動かないときの確認ポイント
ネストした関数が正しく動かない場合は、次の点を確認してみてください。
- 括弧の数が合っているか
- 条件の順番が正しいか
- 文字列の「”(ダブルクォーテーション)」が閉じているか

数式バーで括弧の対応関係を確認すると、入力ミスに気付きやすくなります。
ネストでよくあるミス
カッコの数が合わない
ネストでは IFを1つ使うごとにカッコが1組増える ため、
- IFが2個 → カッコ2組
- IFが3個 → カッコ3組
というルールを意識しましょう。

カッコ増えすぎてわけが分からくなるよね、どうにかならない?

ネストが増えすぎたら、すっきりできる関数があります!
新しめの関数で、「IFS」を使うとネスト不要でカッコの悩みも消えます。
IFS関数を使うと、
=IFS(A2>=80,"A",A2>=60,"B",TRUE,"C")
👉 ネスト不要で読みやすい

それなら最初から、IFS関数でよくない?

その通りですが、ネストを理解することで複数関数の組み合わせが一気に分かるようになります。
例えば、
ネストが理解できると、
- IFERROR(エラーを非表示にする方法)
- VLOOKUP × IF
- COUNTIF × IF
このような関数の組み合わせができるようになります。
それと、IFS関数は新しめの関数なので
- Excel for Microsoft 365 (サブスクリプション版)
- Excel 2021
- Excel 2019
のみの利用となります。

後、カッコが増えすぎたら別セルで分解すると良いでしょう
- B列で一次判定
- C列で最終判定
👉 実務ではこちらの方が安全なケースも多いです。
実務で使う場面
実務では複数条件を同時に判断する場面が多くあります。
例えば、
- 売上金額でランク分け
- 点数による評価判定
- 条件によって表示内容を変える
といった処理では、ネストを使うことで自動化できます。
まとめ
- 結果が3つ以上ある時は、IFの中にIFを入れる(ネスト)。
- 「値が偽の場合」の欄で、左上のボックスから次のIFを呼ぶ。
- 途中で絶対に「OK」ボタンを押さない(最後までガマン!)。
この手順さえ覚えれば、4分岐でも5分岐でも自由に作れるようになりますよ!
🌱関連する内容をまとめたので、必要に応じてご覧ください。






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パソコンインストラクターの経験を生かして、シニアの方や初心者の方に、WordやExcelの「できた!」を届けるために活動しています。